銀座のすずめ (其の5) ネバーランド!


 銀座は5丁目、日産ギャラリーの裏辺りの一区画に・・・
晴海通りより細い路地を一歩入ると、そこは別天地で、『ラーメン屋ランド』みたいなところがあった(今あるかどうかはわからない・・・)。

 行きつけの店内、夏などは窓も扉も全て開けっ放しで、大きな扇風機が換気扇を兼て、唸りを上げながらせわしく首を振っていた。この店の自慢は大盛の野菜炒めライス。客は汗を拭き拭き食べるのが『この店の食べ方』であった。

 OLもサラリーマンも、ハンカチで拭き拭き食べたものだった。汗っかきの僕は、夏場はガーゼのハンカチを愛用していたが、滝のような汗を拭うので、このハンカチがずぶ濡れになるほどであった。

 しかし食べ終えるころには、ベトベトの汗がサラサラの汗に変わり、恰もサウナに入ったような爽快感になるから不思議であった。

 「銀座にこんなところがあるのか?」と思える言わば「銀座だが銀座らしくない」一区画であった。銀座には「本当にここが銀座?!」と叫びたくなる『ネバーランド』みたいな処が一杯の街であった。私が「銀座はネバーランドだ」と言う所以はここにある。


 
2005/07/01 (金)