市議会議員の議場内での発言について |
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○市議会議員の議場内での発言は憲法第51条の免責特権があるのか 1.最高裁は,地方議員については免責特権が直接的に適用されることを否定している。 2.国会議員と地方議員の発言に対する保障の違い 国会議員は、憲法第51条で免責特権がある 地方議員は、憲法・地方自治法ともに規定なし ○発言内容に注意すべき刑法条文 *名誉棄損罪(刑法230条) *侮辱罪(刑法231条) 3.議員活動における留意点 @ 発言における品位の保持 *地方自治法132条 A 無礼の言葉の自重 B 他人の私生活にわたる言論の自粛 4.議員の発言手続きの厳守 5.不規則発言とその対応策 6.不規則発言とその取扱い等 【参考判例】 [平成12年 2月28日 東京高裁 平11(ネ)2724号 損害賠償請求控訴事件] 控訴人らは、本件発言の内容は虚偽であって市議会議員X の発言目的と関連のない誹謗中傷や名誉毀損という違法又は不当な目的の下に行われたものであり、地方議会議員の議会等における発言は一般私人以上には保障されていない。人格的価値についての社会的評価を低下させるものがある。 地方議会は住民の代表機関、決議機関であるとともに立法機関であって、右議会においては自由な言論を通じて民主主義政治が実践されるべきであるから、その議員は右機関の構成員としての職責を果たすため自らの政治的判断を含む裁量に基づき一般質問等における発言を行うことができるのであり、その反面、右発言等によって、結果的に個別の国民の名誉等が侵害されることになったとしても、直ちに当該議員がその職務上の法的義務に違背したとはいえず、当然に国家賠償法一条一項による地方公共団体の賠償責任が生ずるものではない。これに関し、控訴人らは免責特権を有しない地方議会議員には右のような法理は妥当しない旨主張する。 しかし、民主主義政治実現のために、議員としての裁量に基づく発言の自由が確保されるべきことは、国会議員の場合と地方議会議員の場合とで本質的に異なるものとすべき根拠はなく、地方議会議員について憲法上免責特権が保証されていないことは、右法理の適用に影響を及ぼすものではない。また、地方議会及びその議員に対する直接民主制や住民に対する直接責任によって、議員の発言の自由が制約されるとは解されないし、地方自治法132条が言論の品位の維持を定め、無礼の言葉の使用等を禁止しているのは、議場における討議の本来の目的を達成し、円滑な審議を図るためであると解されるから、右規定をもって地方議会議員の発言の自由を制約する根拠とすることはできない(国会法119条も同旨を規定している)。 |
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【引用記事:弁護士法人みずほ中央法律事務所HP :嬉野市議会 芦塚典子議員の活動報告】 |
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2022.10.01 |