北陸新幹線金沢延伸によせる期待 その2

                                須坂市議会議員  佐藤 壽三郎

1.行政視察の目的
 北陸新幹線は、平成26年度末に長野から金沢まで延伸され、更に平成37年度末までに金沢〜敦賀間が延伸される。更に大阪にまで結ばれる壮大な計画である。開業から40年以上が経過し、設備等インフラの老朽化と過密ダイヤに陥っている東海道新幹線の代替補完機能を確保するためにも、北陸新幹線の大阪までのフル規格による全線整備が必要」(石川県企画振興部 新幹線・交通対策監室URLより転記)の実現化の下に、着々と整備されてきたものである。

 昨年、我々は北陸新幹線の延伸に関わる第一次合同行政視察(以下、第一次視察という)を行なったが、日程の関係で計画した視察の5分の2の消化に留まった。そこで第一次視察報告で示したとおり、福井県敦賀市から新大阪までの北陸新幹線は、3ルートが計画されているが、そのうちの米原ルートは第一次合同行政視察で調査済みであるので、第二次示視察調査として、残る湖西ルートと若狭ルートを確認することとした。
先回同様に、行政視察は北陸新幹線の金沢延伸に関係する市を視察対象とし、新幹線延伸に期待される産業の振興、観光の拡大、更に人的・物的な交流等について、新幹線延伸効果を共有するための、教えを先進地に請うことを行政視察の目的とした。 

2.行政視察目的を達すための研修地先と視察テーマ
(1)滋賀県大津商工会議所に訪問。

1). 視察のテーマ:
T. 観光業・商業振興に係る大津商工会議所の取組みについて。
2). 視察の評価
ア) 視察日・視察時間:1月21日午前13時30分から概ね1時間30分

イ) 視察場所:大津商工会議所会議室
 〇説明員の表示:大津商工会議所 専務理事 村田 省三 氏
           :     同      総務部長 内田  裕 氏

ウ) 研修内容:
〇北陸新幹線延伸に伴う観光業・商業振興に係る大津商工会議所の取組
みについて。

 琵琶湖を囲むように位置する大津市はL字形をした大都市であった。何故ならば、JRの駅は17も存在する。更に大津市には3つの商工会議所が存在するからである。北陸新幹線は第一次視察の報告書で示したとおり、福井県敦賀駅から新大阪駅に向けて3ルートが取り沙汰されている。その内米原ルートと湖西ルートは、大局的にみれば滋賀県内を通過するものである。このこともあってか大津市は地勢的見地からしても、東海道新幹線は米原⇔京都間は在来線に並行して走っている。東海道本線の彦根、栗東、草津そして大津の各駅はあるが、東海道新幹線の駅は存しない。大津市は京都駅に近すぎて、北陸新幹線に関しては、新駅の設置は難しいと諦めている節があるが、京都駅と大津間は東海道線と湖西線の便がすこぶる良く、更に京都駅より左程遠くない地理的関係が寧ろ災いしている。

U. 北陸新幹線に期待される東海道新幹線の代替補完機能の現実性についての地勢的確認調査について。
 今行政視察3日目に我々は敦賀駅から湖西線ルートで京都駅まで踏破
してみて、湖西線ルートの弱点は自然現象にあることが分かった。湖西の北部は地形の関係で若狭湾からの強風が「比良おろし」として吹き荒れるらしい。大津市八屋戸にあるJR蓬?駅の風速計が強風が吹いて「停止」の基準値に達すると、JR湖西線の堅田―近江今津駅間で上下線とも運転を見合わせ、電車が運休することが年に数日あるとのことである。現代の土木技術や鉄道工学からすればクリアできると思われるが、やはり京都駅にて超過密な東海道新幹線に相互乗り入れすることが、米原ルートと同様の課題を抱えるのかなと感じる。

V. 視察地における、北陸新幹線延伸を睨んだ広域観光並びに商業振興策の
取組みについて。
 大津商工会議所としては、東海道新幹線延伸を睨んだ広域観光並びに商業振興策の取組みは企画していない。寧ろ、京都、大津京等の平安時代からの文化遺産を守りながら、古都を訪れる観光客を如何に京都・山科から一山超えた琵琶湖湖畔に呼び寄せるに力を注いでいる。琵琶湖疏水を遊船で巡る計画も浮上しているとのことであった。京都周辺には5千万人もの観光客が訪れる。この数字に満足はされていないようであるが、京都⇔大津間の交通の利便性は十分に図られていて、公共交通機関で旅めぐりをする者にとっても十分であるように思われる。

エ) 研修のまとめ:
◇大津市は京都市と観光については、表裏一体の関係にある。京都市は盆地に開けた御所を中核に開けた町であるが、大津市は平成の合併により面積が拡大したが、大津市管内図(大津資料編P7)をしても琵琶湖の湖西に沿った町形成である。
 古都巡礼に代表される大津市は、小学校、中学、高校時代の修学旅行によって知名度が刷り込まれており、定年を迎えた熟年が再度のノスタルジアを覚えるに格好の地であり、新たなる奇抜な観光は寧ろそれらを妨げるものとなろうかと危惧する。

オ) 視察から感じた須坂市の課題:
◇大津市には東海道新幹線で直接下車することではなく、須坂から一旦
京都駅に出て、引き返す形となる。京都駅から野洲行の快速電車にのって、山科更にトンネルを越えるとそこが大津駅であった。地図で確かめると東海道線は大津からトンネルを潜って山科、湖西線は大津京からトンネルを潜って山科と、主要幹線が山科で合流することが分かった。京都駅と大津駅は電車で僅か9分でしかない。

◇市町村が各々わが町にのみ観光客の誘致を図る時代ではないことは第一次報告書に記載したとおりである。最早観光戦略はゾーンとして捉え、他市町村との連携の下に周遊型の観光客の呼込みが効を奏するものと確信する。大津市と京都市は琵琶湖疏水を遊船で行き来させる計画があるようであるが、このことは将に京都府と滋賀県、さらには京都市と大津市の行政区分を超えて観光を取組もうとする表われであると評価する。

◇須坂市の課題は、新幹線長野駅で降車した観光客を、如何に須坂に誘導するかであるが、歴史的古刹は須坂市にも多数ある。歴史的年代、鎌倉、室町、戦国時代、織豊時代、江戸時代別に分けた歴史の整理と、甲信越に跨る壮大な国盗り合戦を繰り広げた武田信玄と上杉謙信に関わる神社・仏閣への旅巡りに旅人は共鳴することを鑑みるとき、我々は平安時代からの文化遺産を観光の目玉にする京都、大津に歴史を学び、須坂市は北陸線延伸のこのチャンスを逃がしてはならないと感じた。



(2)京都府亀岡商工会議所

1) 視察のテーマ:
1. 北陸新幹線金沢延伸に係る敦賀以西のルート案に関する主要都市の取組みについて。
2. 北陸新幹線に期待される東海道新幹線の代替補完機能の現実性についての地勢的確認調査。
3. 視察地における、北陸新幹線延伸を睨んだ広域観光並びに商業振興策の取組みについて。
2) 視察の評価:
カ) 視察日・視察時間:平成25年1月22日午前10時から1時間30分。
キ) 視察場所:亀岡商工会議所会頭室
〇説明員の表示:亀岡商工会議所会頭   渡邉 裕文 氏
          亀岡商工会議所専務理事 清水 宏一 氏
ク) 研修内容と研修のまとめ
 
T. 北陸新幹線金沢延伸に係る敦賀以西のルート案に関する主要都市の取組みについて。
U. 北陸新幹線に期待される東海道新幹線の代替補完機能の現実性についての地勢的確認調査について。

◇亀岡商工会議所会頭が直々に研修にご出席を賜わり、「北陸新幹線の敦賀以降ルートについて」(亀岡資料編P1〜)(と「東日本大震災の教訓に学ぶ北陸新幹線建設への提案(大津資料編P3〜)」についてご教授を賜わった。

◇専務理事の清水宏一氏(元平安女学院大学教授、元京都市観光政策監)から、国土強靭化と新幹線」に基づく資料(亀岡資料編P5〜)で、@整備新幹線計画の現在。A整備新幹線の現状。B認可対象区間一覧。C北陸新幹線計画図。D東日本大震災の教訓。Eライフライン確保の重要性。F列島強靭化の必要性。G東海道線とリニア新幹線。H新幹線網の複数化。I金沢⇔大阪路線の緊急性。J敦賀⇒大阪間のルート K琵琶湖両岸ルート(米原ルート・湖西ルート)の難点を指摘等について詳細に時間をオーバーして説明を拝聴した。
V. 視察地における、北陸新幹線延伸を睨んだ広域観光並びに商業振興策の取組みについて。

◇専務理事の清水宏一氏の講義を拝聴するに、亀岡市は若狭ルートとして北陸新幹線が実現されれば、亀岡市は自ずから広域観光並びに商業振興が見直されるものであり、先ずルートの確定に全力を注ぐ意気込みが感じられた。

ケ) 視察から感じた須坂市の課題:
◇須坂市と亀岡市とは歴史的に見てもつながりがあるとは思えないが、亀岡市の北陸新幹線に寄せる期待は違うものがある。示された資料にある「国土強靭化のためにも若狭ルート」に固執する思いは、今回の「北陸新幹線金沢延伸に係る敦賀以西のルート案に関する主要都市の取組みについて。」を訪ね歩いて一番強く感じた。


(3)福井県小浜商工会議所
1). 視察のテーマ:
1.北陸新幹線金沢延伸に係る敦賀以西のルート案に関する主要都市の取組みについて。
2.北陸新幹線に期待される東海道新幹線の代替補完機能の現実性についての地勢的確認調査。

2). 視察の評価
コ) 視察日・視察時間:平成25年1月23日午前10時か概ね1時間30分。
サ) 視察場所:小浜商工会議所会議室
○説明員の表示:
          小浜商工会議所・交通開発委員会委員長
                       桂田 定樹 氏
小浜商工会議所・交通開発委員会副委員長
                       早川 浩司 氏
          小浜商工会議所・交通開発委員会副委員長
                       清水 雅彦 氏
          小浜商工会議所・交通開発委員会副委員長
                       佐久間 博 氏
小浜商工会議所 専務理事 清水 博敬 氏
          小浜商工会議所 事務局長 中野 敦夫 氏
          小浜商工会議所 主事   柿本 浩行 氏

シ) 研修内容:
T. 北陸新幹線金沢延伸に係る敦賀以西のルート案に関する主要都市の取組みについて。
U. 北陸新幹線に期待される東海道新幹線の代替補完機能の現実性についての地勢的確認調査について。

◇ 小浜市はかっては大陸との交易があり、更には江戸時代は北前船寄港地として、敦賀、宮津と共に水産庁の資料(P.12)にも載っている歴史的にも由緒ある町である。商工会議所には交通開発委員会正・副委員長が多忙な中ご参集いただき、「北陸新幹線の若狭ルート公共に向けて」(小浜資料編P3〜)を下敷きに、北陸新幹線の敦賀以西のルートは若狭ルートを獲得し、亀岡市とがっちり手を組んで実現したい意気込みが十分に伺える意見交換会であった。

ス) 研修のまとめ:
◇小浜駅〜敦賀駅まで在来線で凡そ1時間半を要する。小浜は明らかに鉄道幹線から外れた地方都市になっているが、仮に北陸新幹線が延伸されれば、恐らくは20分を要しないでつながるだろう。北陸新幹線が敦賀まで延伸(H37年度)すると、長野⇔敦賀間は1時間44分でつながる。長野駅から小浜は2時間強で結ばれる。

◇若狭ルートは、小浜と新大阪を直線で結んだルートであり、その直線状に亀岡市が存在する。東海道新幹線の線路を全く併用しないところに特徴があり、太平洋から離れた日本海側にその鉄路を求めることは「東海道新幹線が地震等で機能を失った場合による代替補完機能」の論理には一理ある。


(4)視察テーマ:敦賀から湖西ルートであるJR湖西線に乗車。
 敦賀市から京都駅まで、湖西ルートの地勢的確認調査のためIR湖西線に乗車し、車中から地形等を検分することとした。敦賀から網干行に乗車。近江塩津駅で北陸本線と別れ、琵琶湖の最北端から湖西に出た。琵琶湖西岸に出ると地形からして、この辺りまで琵琶湖でなかったかと思われる湿地帯を走る。湖西線の比良〜近江舞子間は春先に、急風が吹いて列車を止めるため、JR西日本は防風柵を設置したとも聞いている。敦賀駅〜京都駅までは1時間35分を要した。

 この琵琶湖の両岸には断層が走っていることを、今回の視察で初めて知ったが、超高速で走る新幹線にとって最大の課題は、殆んどがトンネルと高架橋で占められる走行を考えると、大地震発生時に耐えて安全に静止できるかでなかろうか。


(5)北陸新幹線が大阪まで延伸されたときの須坂市のメリット
1) 茲に第一次行政視察報告書に記載したものを敢えて再載する。視察察のテーマ:米原駅〜名古屋駅経由在来線中央線、篠ノ井線経由で長野駅まで乗車して、将来、北陸新幹線大阪駅発東京行を、今回の行政視察ルートを想定しながら、現行の長野駅までの所要時間等を比較考察すると下記のとおりである。

T. 現在の東海道新幹線・中央線を併用した場合。
○新大阪駅〜名古屋駅まで新幹線所要時間  60分
○名古屋〜長野駅(中央線・篠ノ井線)   180分
○乗り換え時間 +)  30分
所要時間合計

 
4時間30分

U. 北陸新幹線が大阪まで延伸した場合。(佐藤議員私案)
○長野〜金沢間228km 新幹線所要時間 66分
○金沢〜新大阪356km 新幹線所要時間 103分
○乗り換え時間  乗り換え不用
 所要時間合計

2時間49分

V. T−U= 1時間41分
○北陸新幹線が大阪まで開通し、在来線である篠ノ井線、中央西線が現行の侭であるときは、我々は大阪以西に行こうとすれば、長野駅から北陸新幹線を利用して、大阪駅に出たほうが1時間41分も時間短縮ができることとなる。

3. 総 括
課題:北陸新幹線は東海道新幹線の代替補完機能を果せるかについて

 市議会会派、新自由クラブと無所属クラブは合同で、北陸新幹線金沢延伸に関わる第2次研究として、滋賀県大津商工会議所、京都府亀岡商工会議所そして福井県小浜商工会議所を視察地と選定して1月21日〜23日にかけて訪れ、@北陸新幹線金沢延伸に係る敦賀以西のルート案に関する主要都市の取組みについて。A北陸新幹線に期待される東海道新幹線の代替補完機能の現実性についての地勢的確認調査。B視察地における、北陸新幹線延伸を睨んだ広域観光並びに商業振興策の取組みについての情報収集と地元の皆さんと意見交換することが叶いました。

 北陸新幹線を一日も早く新大阪まで結ぶことが、東日本大震災によって、国民の防災意識と、万が一大震災が発生した際における国民の生命と安全を確保する認識が大きく変わりました。今年の正月三日、東京駅近くで起きた火災は、東海道新幹線をマヒさせ、帰省客は東京駅だけでなく、大阪駅でも足止めされました。仮に現在北陸新幹線が新大阪まで通じていたならば、正月三日の東海道新幹線のマヒは回避されていたであろうと誰しもが感じる出来事と申せます。東日本大震災以降、東海地震や南海トラフ地震がいつ発生してもおかしくない情況下で、万一大震災が発生した際における、国民の生命と安全を如何に確保するか。更に地震によって東海道新幹線が寸断された場合の、東京・大阪間の東海道新幹線の代替補完機能を北陸新幹線に託す期待が、日増しに高まっております。

 ところが、金沢から敦賀までの延伸は今から14〜15年先と悠長な計画です。長野新幹線も金沢までの延伸では、東京⇔金沢間の利便が増すだけの話です。近畿以西の人・物・カネの流れは北陸新幹線の開通によって叶えられるものと確信します。早急に敦賀までの北陸新幹線の延伸があってこそ、東海道新幹線の代替補完機能も、不十分ながら果せると感じます。長野、新潟、北陸の5県は心合わせて、敦賀までの延伸を国策事業と位置付けて、金沢〜敦賀間を同時着工して、工事期間を大幅に短縮し延伸せられますよう。更に一日も早く金沢から新大阪まで結ぶことが大切と感じました。

 亀岡商工会議所は、京都市の観光政策監として、2000年に3950万人だった観光客を、8年後の2008年に5000万人に増やした実績のある清水宏一氏を招聘することによって、現在「亀岡駅北スタジアム」建設構想が展開されている。いつの世も、「軍師」がその町の栄枯盛衰を握るものである。須坂市は「亀岡市の軍師」とも言える清水宏一氏に、観光政策について真摯に教えを請うことを提唱する。

 今回の視察を終えて、北陸新幹線の一日も早い開通を望むものであります。敦賀駅から新大阪駅までのルートは、既述したように米原ルート、湖西ルート並びに若狭ルートが現在論議されています。敦賀から先のルート選択は関西の関係する府県や市町村の協議の場であり結論であると思料します。仮に「然らば貴君はどのルートを推しますか」と問われれば、国家百年の計に照らし合わせても、新大阪駅から東海道新幹線を全く併用しないで直線的に亀岡市と小浜市を結ぶ若狭ルートが、東海道新幹線の代替補完機能を果たし、このことは国土強靭化に寄与し、北陸3県、新潟県、長野県に大阪以西の中国、四国そして九州からの人の交流、物流、カネの流れをもたらす経済効果等が大いに期待が持てる大動脈であることは確かです。北陸3県、新潟県そして長野県にとっても最もベターなルートであると確信します。


2.県内の鉄道の見直し策の提言
 
 行政視察並びに公務で名古屋以西に向かう場合は、我々は中央西線(以下、中央線という)を必ず利用することになる。しかし現在の中央線での長野駅と名古屋駅間は凡そ3時間の所要時間を要する。乗車してつくずくと「この名古屋までの乗車時間を何とかならんのか」といつも感じます。

 長野県の政治・経済や商工業、観光振興の発展は、松本駅と長野駅間を特急電車で30分位で結ぶことに尽きると考えています。篠ノ井線を全線複線化すればことは足りますが、財政的に叶わないならば、現在の上・下特急電車の「複線のすれ違い区間(駅)」を増やし、特急電車のスムースな運行を確保することに尽きます。

 更に松本⇔甲府間、松本⇔飯田間のJR所要時間を現在の半分にする必要性も感じます。それにはリニア中央新幹線が中津川と飯田間をトンネルで結ぶ折に、併せて在来線のトンネルも掘り、中央線を中津川からトンネルで伊那谷に進路変更して飯田に直結し、駒ケ根・伊那・塩尻、松本と中央西線の鉄路を木曽谷コースから替えることが必要です。比較的直線である辰野から伊那、駒ヶ根の様に、駒ヶ根から飯田までの鉄路を直線化することで、スピードアップを図ることが課題です。

 これが叶わないならば、将来の構想として、松本以北の北信の人たちが名古屋駅に出るには、長野〜松本〜塩尻から伊那谷に直通で入り、伊那、駒ケ根と進み飯田駅でリニア新幹線に乗り換えて名古屋駅にでる手段ですが、何れにしても中央西線を江戸時代の名残の木曽川沿いに走らせるのではなく、飯田線を中央線と直結し、南信と中信の松本とつなげ、更に松本と長野間を合わせて長野県の背骨とすることが、長野県の発展に寄与します。

 大切なのは、この取り組みを南信や中信の地域の課題として捉えるのではなく、県内の全市町村の課題解決として捉え、飯山から飯田まで長野県の背骨を貫くことが必要で、このことを県内の市町村の課題として実現することが、長野県全体の活性化につながると考えます。その意味でも、加藤新長野市長と菅谷松本市長の連携と長野市と隣市須坂市の連携が、県内の人の流れ、物の流れを大きく変えれると確信するものです。JR中央西線に乗車する度に、松本周辺の交通アクセスの改良が長野県をより絆の強い県民を育むと感じます。


 平成26年1月31日記
須坂市議会議員 佐藤壽三郎