平成24年(1012年)6月16日
 
公共事業の維持管理時代が叫ばれる須坂の先読み
                               
須坂市議会議員 佐 藤 壽三郎


 総務省が4月17日発表した2011年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は1年間で25万9千人(0.20%)減少し、1億2779万9千人とのことであります。

 わが国の65歳以上の高齢者の割合は、前年度比0.3ポイント増の23.3%で過去最高を更新したようです。ドイツの20.6%、イタリアの20.3%を引き離し、世界最高の水準とのことであります。

 長野県では、前年度比1万282人減の214万人2167人で全国16位。人口増減率はマイナス0.48%。出生や死亡による自然増減でみると、6353人の減。増減率はマイナス0.30%、転出入による社会増減は3929人の減で増減率はマイナス0.18%(信毎4.18)とのことであります。

 あと数年で年50万人の人口減少となり、更には毎年百万人単位で人口が減る時代が来るとすれば、これは怖い話ではありませんか。国立社会保障・人口研究所の人口予測では、あと48年後の2060年の総人口は約8674万人で、現在の人口の2/3程度まで減少すると数字であります。

 茲で我々が関心を示さなければならないことは、我々は高度成長期の発想や仕組みから脱却し、縮小社会を前提とした地域づくり、コンパクトシティーへの変換を強力に推し進めなければ、須坂市自身が自治体としての機能が喪失しかねない事態もありうると思います。
   
 須坂市が、今ある市内の市道、橋梁、公用物、保育園、小中学校の校舎や体育館、或いは水道施設、下水道施設等の維持・更新費を見積もれば、一体どのくらい必要なのであろうか。歳入が大幅に少なくなる将来のことを考えると、我々は両手に有り余る便利さから、今のうちに選択する。或いは捨て去る必要があるのではないかということです。

 茲で言いたいのは、インフラ(社会資本)の老朽化の対策が、今から必要であるということです。これこそが今須坂市に求められる最大の試練とも思えます。須坂市のこの課題に対する方針を検討する時期に来ていると思います。

 さて、教育委員会から示された「児童・生徒の調べ」によりますと、この4月に、市内11校の小学校に在籍する児童は総合計で2924人であります。

 児童の多い小学校は、小山小学校435人、日野小学校367人、森上小学校353人であり、児童数の少ない小学校は、豊丘小学校90人、須坂小学校180人、高甫小学校195人であります。

 更に、本年度の新入学児童は全市で433人でありましたが、児童の少ない小学校を挙げるならば、豊丘小学校7人、須坂小学校24人、豊洲小学校28人でありました。これらを斟酌すると、来年度の入学児童数は如何でしょうか。大変厳しいのではないでしょうか。

 総務省はこどもの日に併せて、4月1日現在、15歳未満の子どもの推計人口は、前年より12万人少ない1665万人で、統計で溯れる1950年以降で最も少ないと発表しました。子どもの数が減るのは82年以降、31年連続で、少子化の進行に歯止めがかからない実態が浮き彫りになったと言えます。(日経5月5日)

 市内11校の小学校の統廃合も避けて通れない課題であると思います。良質な教育の場の提供と共に、将来の人口減と歳入の減収を慮るときに、小学校の適正規模の検討が今から必要ではないでしょうか。

 これらの事柄を市議会議員として今論じなくては、大切な好機を逃してしまうと感じます。