求められるのは 議員としての弁え
地方分権時代に先駆的役割を果たせるか須坂市議会!


                         市議会議員 佐 藤 壽三郎


 須坂市議会の議会運営委員会は、決算特別委員会を設置するにあたり、議長を除く全議員による特別委員会の構成を止め、正・副議長、議会選出による監査委員、そして議会運営委員会の委員長を除いた議員で特別委員会を構成することゝなった。

 これは、「全員協議会の名を変えて、予算特別委員会という名称を冠した決算特別委員会を設置し、議員全員で審査することは、全員協議会に審査権を付与するものであって、これは本会議を形骸するなにものない」とする改新クラブの主張を聞き入れたことである。

 何でもありの議会改革は真の改革ではない。議会は市民の良識の府として、制度の目的遵守については、頑なにまで固執する必要があるのではないか。市民より我々議会に課せられた使命と権能をよく咀嚼して、市民の権利と義務をいかに擁護するかといったことを勘案するとき、やはり本会議と全員協議会の名を変えた特別委員会とは、峻別すべきである。

 即ち、特別委員会での審査の顔ぶれと、本会議場での顔ぶれが全く一緒である審査のあり方は、「一事不同人」(全く同じメンバーが同じ事案を審議することを許さない。佐藤壽三郎の造語)として避けねばならない感覚を持つべきである。


 近代民主主義というものは、権限の分散につきると言える。権限の分散の代表として三権分立を挙げることができますこれは国の機構ですが、地方自治は如何でしょうか。例えば地方議会においては、憲法は地方の本旨に基づいて云々と書いてあるのですが、実は市長部局と議会を対峙させるという。このことが、権限の分散であると思います。

 権力集中によることによる弊害の危険分散の論理からいけば、議長を抜かしての19名の議員構成を「優でもないが、不可でもない」とするところに須坂市議会の議員の等閑なこころの危険をはらんでいると感じる。


 これらのことを、議会運営委員会で執拗に解いた改新クラブの佐藤壽三郎委員の発言により、他会派の議会制民主主義が目覚めより実現することとなったか、どれ程の委員が果たして今回の「このままでは地方議会は自滅する」警鐘を理解しているかは聊か疑問である。

 この度の特別委員会の構成員における判断は、全国の地方議会に対して大いなる範を示し、須坂市議会は先駆的な役割を果たしたと自負する。



平成20年8月16日記す。