四会派による合同議会報告会開催の意義について




 四会派の議員有志(新自由クラブ、無所属クラブ、須坂市民クラブ、日本共産党)による議会報告会の限界と、議会としての議会報告会の違いは、後者は仮に実現したとしても、本会議場での議決結果を市民に解り易く解説するにとどめ置く内容であり、開催会場で議員が私見を発言することは許されないものと考えます。議会で議決(確定)したことを、個人が個々の立場で発言することは一向に構いませんが、「市議会の機関として行う議会報告会」では、このような私的な発言は許されない場であり、決め事に対する一事不再議の原則を遵守すべきであって、決め事について異論を終始唱えることは何でもありき(何でも許される)の議会になってしまうことを危惧します。

 更に、定例議会毎に議会は議会報特別委員会の手によって、議会報を編集し全戸に配付している事を考慮すると、議会が議員全員で議会報告会を開催することよりも、市民の手元に配布する議会報が、如何に分かり易く、しかも議会や委員会での審議過程が掌握できる内容であるか等の充実を図ることが先決問題であると思えますし、議会をより市民に知っていただくために議会報特別委員会のメンバーが、あれこれと思いを巡らして編集していることも斟酌すべきであります。

 その点、議員有志による議会報告会は、議決に至るまでの過程での課題や争点を捉えて、市民の皆さまに分かりやすく私見をアピール出来るところに違いがあります。議員有志による報告会では常任委員長や特別委員長の職にある者が一切コメントを挟まないのは、背景に全述の理由があるからとご理解ください。

 考え方が異なる四会派が、会派のしがらみを超えて協力して議会報告を行う意義は、偏(ひとえ)に民主主義政治とは多様な意見が先ず存在することを互いに認め合うことに意義があります。更に議論の場が公開とされ、審議過程が可視出来ることが極めて重要であると思います。この審議過程での成り行きを市民の皆様の一考に供することこそが大切であると考えます。

 須坂市民の自由と正義が保たれることは、市民益につながるものと確信し、これからも4会派による共同開催の議会報告会を推し進めて参ります。国も国是がことなる中国、韓国と日本との三国間で、日中韓自由貿易協定(FTA)締 結交渉にむけて動いているではありませんか。三国志は覇権の物語であって、現在進めている話は三国誼の物語の序章と申せます。隣国が覇権を争う時代は遠い過去のものにしなくてはなりません。お互いに論議を進め話し合いの中で「小異を捨てて大同に就く」ことは、これは覇権主義ではなく交誼主義の幕開けと感じます。


平成24年(1012年)5月17日記す