會報ことぶき 月報(No.37) 2002年3月号

(佐藤壽三郎市議会議員活動報告・総合体育館特集3)




 私は、総合体育館建設を議会で反対するため、政和会会派を退会しました所属する会派政和会より「総合体育館建設を市長与党として、何が何でも賛成されたい。」拘束を受けたからです。会報ことぶき24で述べたとおり、市議会議員は、「自分の言動が市民に対して忠実たらんとしているのか。

 市長与党にあることに忠実たらんとしているのか。」 を自問したとき前者を選びました。私は何人にも、「是々非々」を言える議員でありたいと思っております会報ことぶき36で唱えた「総合体育館建設に関わる疑問と不安」について、3月議会で一般質問に立ち、市長並びに市理事者に答弁を求めましたが、市長の答弁は私の反対意思を翻意させるにはいたりませんでした。現下の国家的経済不況を考え、市財政の実情や五万五千須坂市民の将来を慮るとき、大手ゼネコン主導の総合体育館建設は、今その時機ではありません。速やかに計画を凍結すべきです。以下は、一般質問の結果です。


質問1. 法手続における疑義に対する教育次長の答弁

 市は、H13年3月議会で、市長自ら「予算の差し替え」を為したことは、計画の断絶ではなく、「総合体育施設整備等に関する研究報告」に拘束され、それによって「ありかた懇話会」も「市民会議」も具体化するための手段であったと答弁。「白紙となったとみる」小職の見解と相違がある


質問2. 緊急避難としての30億に減額の妥当性の疑義に対する市長答弁


 市長の答弁は減額の経緯が何ら明らかでなく総合的に判断すると、「ありかた懇話会」で討議中に、地域総合整備債の廃止情報がもたらせるにことにより、市は「ありかた懇話会」がまとめつつあった「年次計画に分けて建設すべきだ。」(会報ことぶき35-U-2ご参照)とする意見を採用し、30億円に圧縮したとする論理と思われる。結果的には年月をかけて当初計画の45億に上る「総合体育館建設」を実施する心算であることは確かである。



質問3. 総合体育館は本当に現在の須坂に必要な施設だろうか?の市長答弁

 市は、利用者が平成6年をピークに落ち込んでいる事実を認めたが、数千人の体協関係者の建設要請が現実にあること。前田中市長の「申し送り」であることを強調する。数千人/5万5千人の対比、前市長の申し送りの拘束性を勘案しても、市長の経済感覚が問われる施政である。本当に市民にとって必要な体育施設であるのだろうか?の疑問には耳をかさない


質問4. 既存の体育施設の統合の是非と経済的非効率についての市長答弁

 市長はこのことについて、「直ちに取り壊すことはない」と答弁。であれば、既存体育館の維持管理費は更に増大し、新設される総合体育館維持費とあわせての金額は莫大なものとなる。結果的に市財政を圧迫することとなる。

 市長はこのことについて、「直ちに取り壊すことはない」と答弁。であれば、既存体育館の維持管理費は更に増大し、新設される総合体育館維持費とあわせての金額は莫大なものとなる結果的に市財政を圧迫することとなる。


質問5. 市民に均等の行政サービスの提供の疑義についての市長答弁


 市長は、総合体育館をもって解消されると答弁。従来の地域分散型体育施設の提供と利便性を打ち消した。


質問6. 財政運用は大丈夫かの総務部長の答弁

 市は、国や県が経済破綻状態にあるとは認識していないと答弁。有利な起債があるうちに、利用できるものは利用して「総合体育館建設」を推進するとする。市幹部に「祖国日本」への危機観が微塵も伺えない。国家観がない。


質問7. 行政サービスの是正についての市長答弁

 市は議会に対し、今計画している総合体育館のランニングコストや使用料について具体的な数値の説明は無かった。市長は「使用料を安く押さえる」と強調答弁。市長の福祉論は、旧態依然の「ゆりかごから墓場まで」の湯水の如く税金を使う便法であり、本当に必要なものを市民に行政サービスする時代の認識が答弁から伺えない



質問8.失対事業と銘打つが、詐術を弄していないかに対する市長答弁

 市長は、市内の建設業者を取り入れた「総合体育館」建設を議会答弁で力説した。しかし、想定される総合体育館の規模や建築面積からすれば、大手ゼネコンへの発注は確実であり、工事費の総額の全てが市内の建設業者に任されることは考えにくい。市長は本事業を失業対策事業であると力説するが、結果的に市内の建設関係者を甘言で釣ったことになる。本当に失対事業としたいならば、市長は全てを一度白紙にしてゼネコンとの関係を絶ち、市単事業で市内の建設業者に全てを任せる『けじめ』の手立てが必要だ。それには現建設計画の中止が必要と言える。


発行日・配信日 平成14年(2002年)3月11日

発行人 須坂市議会議員佐藤壽三郎
発行責任者 壽會佐藤壽三郎後援会竹村徹志
長野県須坂市墨坂南一丁目6番23号