月雨や 志士の走った 路地静か
 壽茶 

會報ことぶき 月報(No.55) 2003年5月号
 (須坂市議会議員佐藤壽三郎議員活動詳報)



【コラム・千曲のかなた】 議員の使命とは


 
 有権者は市会議員が県議会議員や国会議員の手下であると判断する。選挙の為だけにお互いが動くペラペラの交友と思われがちであるが、その点、小職は議員になる前から、こと国会議員とのパイプは、ペラペラではなく揺るぎ無い信頼関係にあると自負する。このパイプが須坂5万4千市民、長野県220万人、強いては、日本のためになると確信しています。

 時代は一気に遡りますが、王政復古の大号令は果して必要であったのでしょうか。今、騒然と騒がれている合併問題を語るとき、ときを江戸時代末期まで遡る必要を感じます。なぜならば、この時期に今日の日本の統治に関わる問題が芽吹いていると感じるからであります。

 堀直虎公、ご存知須坂藩の第14代藩主でありますが、当時の幕臣では、井伊直弼公と堀直虎公が双璧であると感じます。それに比べ、将軍慶喜の余りにも不甲斐ない優柔不断さは、流石の直虎公も匙を投げたと申せます。外国奉行としての彼の自説を若し将軍が意志を強く持って推進していたならば、徳川幕府の瓦解はなかった筈であります。幕府が日本国の執権として、外交能力がなく、防衛戦力を持たないリーダシップを持たない将軍であれば、倒幕の狼煙があがるは歴史の理である。直虎公の諌死はその後の幕府の迷走を見ても、慶喜将軍には通じなかったと思われる。幕府はあたら制度の保身のために、直虎公を見殺し、吉田松陰等の人材を殺戮したと言える。
 
 さて、政府は現在3200余りある市町村の数を1000余りにしたいとする。長野県は現在120市町村あるが、江戸時代はどうであったか、11の藩と幕府の直轄地あるいは大藩の飛び地として支配されていた。北から飯山藩、須坂藩、松代藩、上田藩、小諸藩、岩村田藩、田野口藩、松本藩、高島藩、高遠藩と飯田藩の11でしかない。ところが市は現在17市ある。城下町で市になれなかったのは、松代、岩村田、田野口、高遠藩である。時代は武家社会の軍政都市から、明らかに商工業都市に移り今日に至るのである。歴史の悠久の流れを時には高殿に登り、煙草を燻らし、盃を傾けて見つめ直すことを怠れば、詰るところ為政者は歴史の繰り返しを犯すこととなり、時が経て風化が進むとき、何のためのものであったのかが、色が褪せてしまう。


1.【 議会のあらまし 】

 1).本会議関係  6月議会は6月13日開会予定です。

 2).議会運営委員会  議事項目なし

 3).会派代表者会議  案件事項なし

 4).総務・文教委員会関係

    @ 4月24日 視察に関する事務方との協議打ち合わせ
    A 4月25日 視察内容についての最終打合せと課題の補充
    B 5月 8日 須坂市建設業協会との定期行政懇談会
    C 5月14日〜16日 15年度行政視察


【視察先・下関市;人口 252,390人 視察目的:関門景観条例、行政評価システムについて】

      速足で 海が流れし 関門峡  壽茶

 門司と下関の間の海峡は海とも大河ともつかない。海が速足で流れている。
関門橋を渡りながら眼下の海に目をやると、壇ノ浦の合戦や宮本武蔵のことが思い巡らされた。

【視察先・萩市: 人口 46,104人 視察目的:生涯学習のまちづくり、21はぎ市民会議】

       ふと覚ゆ 東行さんの 雨宿り  壽茶

 萩の町は不思議な町だ。横丁の路地で晋作が雨宿りをしているような気配を感じる町だ。
 
【視察先・平田市:人口 29,558人 視察目的:出雲地区合併協議会、廃食油を軽油代替燃料に再利用】

        五月雨を あつめて斐伊川 水滔滔 壽茶

 平田市は平らな出雲平野のなかにあった。斐伊川に沿った町であるが、この川の水量は多く 流れは滔々(とうとう)として、この地の人々のように
穏やかでゆったりしていた。
 
 5).須高行政事務組合議会   招集なし
 
 6).全員協議会      協議案件事項なし
 
 7)..合併問題研究委員会  講師を招聘して研修会を開催しました。

  @平成15年4月25日 
    市町村自立研究(長野モデル)について  講師 :長野県まちづくり支援室
    市町村合併を考える             講師 :参議院議員森元恒雄先生


2.【私の議会外議員活動】
○小布施町議会議員候補者池田哲氏を支援。
 氏は中央大法科を出られ教師になられた。私は中学時代に社会科を先生教わり、後に法律を学ぶきっかけを氏より受ける。
 選挙結果は、首尾よく上位当選を果たされた。池田議員は今期の小布施町議会副議長に就任された。大慶也。



3.【論説・地方分権時代のもたらすもの】 統一地方選挙で議員の資質は問われない?

  地方議員(市議会議員)の資質は一概に言えない。政治的リーダーシップ、カリスマス性、広い見識、人間的な包容力、弱者への視線、社会的問題の感受性の鋭さ(ガバナンス・25p110)が挙げられる。然し、今回の選挙戦を見ても市民自身に議員の資質を投票の選択肢とする部分が希薄である。選挙権を自ら放棄しているのではないかと思える。

 地域・地縁選挙が大手を振ってまかりとおり、一方、裏腹に無党派層の市民が増えている現象につながる。無党派層が投票に行けばよいが現実は行かない。行かないことは現状が何ら変わらないこととなる。ある町の当選議員が無投票で当選しながら、過去に犯した窃盗をリークされて辞任した。犯罪の事実を知っているとすれば、身近な人のリークであろう。親友なれば立候補する前に質すべきでなかったか?当選した者を過去の犯罪事実をもって奈落の底に突き落とす意図をもって、じっと選挙の結果を待ち当選したから告発する行為は、寧ろ一枚うえの犯罪者ではないのか。

 議員の資質が問われる事案と言える。田舎選挙は嫉みが渦巻く魑魅魍魎の世界である。もっと選挙は、議員の資質や主張が問われるものであって欲しいと感ずるが、議員の資質は評価せず只管、地縁血縁 に走る選挙である。嘆かわしい。


4.【論説・合併論】合併によって須坂市は飛躍的に発展できるのか? それは幻想だ!!
 
 この3月議会の一般質問で、私は「海もない。港もない。空港もない。JRの駅も新幹線もない。ないないづくしの須坂だけれども、須坂は頑張って来た町である。越寿三郎翁が築いた製糸のまちとして、富士通が築いた通信・電子のまちとして、言うなれば須坂は「企業城下町」として歴史に名を刻んだ誇りもて」と訴えました。

 「合併には表裏二面の意見がある。どれも一理ある。時代の推移は、流れを変える川の如く難しい」と言われますが・・・・

1..須坂が仮に小布施町や高山村と合併することによって何が変わるのでしょうか? 市が作成した「市町村合併」の冊子に「市町村合併におけるメリット」として、

@日常生活圏の拡大に対応したまちづくりを計画的進めることが出来るとあるが
、須高の人々の大方は合併しても勤め先も変わらないだろうし、生活水準が飛躍的にグレードアップするわけでもない。合併が恰も何か新築の住宅にそっくり移る気分で論じられことは片腹が痛む!
A行政サービス水準も維持・向上され、
B行財政運営の効率化が図れるとあるが、
専門職員の充実と謳うが、職員が合併の法的作用によって相乗して一晩で専門家となれる筈がない。金太郎飴を知っているのかと言いたい。また「従来配置が困難または不十分であった分野に専任の職員を配する」とあるが、合併して職員が余剰になることを恐れて、予防的に職員の身分の確保でしかない。合併のメリットは無駄な部分を斬るところにある。首長・三役、議員、そして職員に至るまで、合併に関わる部分のリストラは当然なされるべきだ。職員だけが100%身分が保障される考えは、そもそも市民が許さないだろう。

 合併が全てデメリットとは思わない。
しかし市職員を生涯雇用するための手立てとして、自治体組織があるのではない。市民の生活の安寧と市民の利便のためにある市組織であること、職員は総有的に市民との雇用関係であって、絶対的に身分を保障されるものではないことを、時代の趨勢として明確にせねばならない。


2..須坂市は合併によって何を叶えようとしているのかが見えない。前述した合併におけるメリットは、実は総務省のパンフレットや県が配布した冊子に掲げられているものであり、全国一律に市町村に向けられたものであります。

 須坂市の未来を語ることが必要であるのに、須坂市が勘考した節はどこにもない。言わば「国作成のマニアル」の説明にほかならない。具体的に合併することにより、須坂のまちがどのように変わり、市民の皆様方の市民益は、このように変わります等の説明がない。市民も積極的に、合併によって何が解決できて、何が課題なのかを知ろうとしない。

 私はご承知のとおり「小さな自治体」を標榜している。須坂市が経済の高度成長期のような「何でも市民の要求を聞き入れる」姿勢であってはならない。税収が大きく落ち込んだ現状ではなおさらである。須坂市が合併を拒否し、国より地方交付税が今より3割方少なくさせられたら、その分須坂の歳出や規模を3割押さえれば済む話ではないか。

 国家は官僚が支配し?須坂市は市職員が支配する?市民は公務員を終身扶養せねばならない?そんな法理どこにもない。主権者たる市民の等閑(なおざり)のこころが、合併の本質を歪め、国民主権主義を形骸化してしまう。

 民主主義を守るためにも、合併に対するあらゆる角度からの行政府に対する、市政に対する猜疑心は、常に必要なのです。合併の本質が見えない理由は、長野県も須坂市も政府から威圧的に命令されて合併を推進している話だから、自ら前向きの須坂活性化のビジョンから生まれる道理はなく、市職員は、もっと常に5万4千市民と共にあることを、パブリックサーバント(公僕)としての、熱き気概を今このときこそ示すべきでないか。熱く語れ!

  要は、須坂市は、どこの町と合併しても飛躍的に活性化するものでもなく、合併の経済効果に期待してはいけない。何故ならば、合併しても、俯瞰的にみると須高の人口は一人足りとも増えない事実である。この点を理解しないで、政府命令の須高の市町村合併は、新生須坂市は大きな負荷を負う。寧ろ小回りの効く、市民の意志が行政に映し出すことのできるまちを誇りに思うべきではないか。

 明治維新のおり、須坂藩は幕府の外様であるにも拘わらず何も出来なかった。今須坂は国家に対して自由にものが言えるまちである。私は、小布施町や高山村を黙殺しろという論理では決してない。かっても記しましたが、吉田松陰は「死んだ後の業苦を思いわずらうな。また目前の安楽は一時しのぎと知れ。百年の時は一瞬にすぎない」と述べた。合併特例法の15年、人の15年はとても長いが、須坂市にとっての15年間は瞬(まばた)きに等しい。悠久の時の流れを見据えて合併を論ぜねば、須坂市は後で必ず後悔をすることとなる。これは小布施町然り、高山村亦然りであると心得られるべし

 
 【参考資料:市町村合併・自治省行政局。長野県市町村合併推進要綱・長野県。市町村合併・須坂市総務部企画課。市町村合併とまちづくり:中央大学辻山幸宣教授。市町村合併の現在:議会と自治体59。都市型政治と自民党の課題:月刊自由民主571号】


5.【国県市町村の選挙報告と分析】地方議員は60歳以上や現職割合が増加

 信濃毎日新聞4月19日付に統一地方選挙の結果の分析が掲載された。それによると、県下66市町村で、合計定数1012(欠員4)のうち1008人の新議員が誕生。60代以上や現職の占める割合が上昇した。当選者のうち女性議員は103人で当選者の10.2%を占める。
    60代  496人  49.2% 1.72倍
    70代   98人   9.7%
    50代  323人  32.0% 33.5%(03年) ← 37.5%(95年) ← 41%(91年)

 50代は候補者が減っている。「議員になると本業に割く時間が減り、勤務先を辞めないといけない場合もある」とするが、一期目の当選年齢が問題であり、60代後半での初当選議員には、僕が常に唱える「議員か片手間・等閑議員でよいのか」の傾向があり、議会の硬直化が進むと思える。


6.【小・中学校関係】 すざかみんなの宝を、みんなの手で 慈しみをこめて育てよう

7.【北信選出の国会議員の動き】当事務所宛に届いた国政報告書の転記です。

@ 若林正俊参議院議員事務所より 平成15年度須坂市予算配分表を受信。
  内訳は、
   国土交通省  11,517,739百万円  村山橋、樽の沢バイパス、仙仁バイパス外
   農林水産省    576,532百万円  一般農道、広域農道外
   厚生労働省      30百万円  石綿セメント管更新事業

   


8. 【トピックス69】 地区特派員より入電なし

9. 【会派自由クラブの動き】
  @ 4月25日 最近の課題について協議。
  A 5月20日 6月議会に向けての協議。

10. 【古今東西の名言集から】

○ 執権北條時宗に中国から渡来した禅僧正念は、「為政者とは、分別の念を起す勿れ。回避する処なかれ」と諭したと言う。日本が元の大軍に対し微動だにせず粉砕でき、時宗が今日に名を残しうるは、将にこの言葉を実践したからであると感じます。

○ どうして心を自然のままにして、生死を天命にまかせようとしないのか。どうしてあくせくとあわただしくして、一体どこに行こうとするのか。富貴の身分になることは私の願うところではなく、(さりとて)不老不死の仙人の住む世界は望んだところで行かれものではない。(帰去来辞より抜粋)

○ 昔の学問に志す人には、必ず師があった。師とは、(人としての)道を伝え、学業を授け、迷いを解くための人ふある。人は生まれたままで、道などについて知っているわけではないのだから、いったい、だれが迷いの無い人があろとか。(そのように)迷っているのに、師について学ぼうとしないならば、その迷いはいつまでたっても解けることはないであろう。私より前に生まれて、道について学び知ることが、もともと、私より先であるならば、私は(当然)その人につき従って(その人を)師とするであろう。(また)私より後に生まれて(いても)、道を学び知るのが、また私よりも外であるならば、私は(その人に)つき従って師と仰ぐであろう。

 私は道(そのもの)を師とするのである。いったい、どうして、その人が(自分より)先に生まれたか、後で生まれたかなどを関知することがあろうか、(いや、問題にしないこういうわけで、身分の上下、年齢の高低などに(いっさい)関係なく、道の存在するところ(こそ)、師の存在するしころなのである。(師説より抜粋)


11.【史記から知る人生の機微】 推敲中です。

12.【お寄せ頂いた会員の声】
 
  @「会報ことぶき」を通じなして、市政を詳細に理解でき感謝を申し上げます。
    Iさん(亀倉在住)
  A ご活躍を期待しております。K(馬場町在住)
  B 日頃は議員活動ご苦労様です。Tさん(境沢町在住)

13.【注目のインターネット記事】

 ○ 野茂投手、大リーグ通算100勝を達成 4/21/03  やったぜ!野茂!!
 ○ 北朝鮮、核実験の可能性示唆・CNN 4/25/03
 ○ 統一地方選後半戦の市長選は、市町村合併などを争点に6つの県庁所在地を含む123市(14市は無投票) 中、政党の推薦・支持を受けない無党派候補が強みをみせ
    、65市と過半数に達した。
 ○ 中教審に「六三制」の見直し諮問 5/15
 ○ 厚労省、SARS感染医師のホテル名など全行程公表 5/19



【北信濃鏡】
 4/21概報54号配信 議会報校正 /23後援会 /24二期議員学習会、社会委員会 /25市民相談、合併調査委員会 /26陣中見舞、市民相談 /27開票報告会 /28市民相談 5/8建設懇談会 /14〜16行政視察 /19行政相談 /20市長・議会に意見書提出。概報55号配信

発行日・配信日 平成15年(2003年)5月20日
                  発行人 須坂市議会議員 佐藤壽三郎
                   発行責任者 壽會佐藤壽三郎後援会 竹村徹志

                  長野県須坂市墨坂南一丁目6番23号(境沢町)