汗噴いて 喉で食べるや ところてん 壽茶


會報ことぶき 月報(No.82) 2005年7月号

(須坂市議会議員佐藤壽三郎の議員活動詳報)



【コラム・千曲のかなた】
  
   人生で大切なことは、このことかも知れない。



     
     事知るべからざる者有り、知らざるべからざる者有り。
     忘るべからざる者有り、 忘れざるべからざる者有り。


【訳意:物事には、知ってはいけないことゝ、知らなければならないことがある。
    忘れてはいけないこと、忘れなければならないことがある】


 五十路を遥かに越えてみると、漢詩や漢文に遊ぶ時間が多くなるは、遠い祖先が大陸や半島からこの日本に流れ着いた名残りなのか、将又(はたまた)高校時代に漢文の手ほどきを賜った亡田中寛先生の潜在的影響なのかもしれない。

 理由は何であれ、折節に触れて悠久の時の流れが醸し出す幽玄の世界である漢詩や漢文に遊べることを感謝している。


1. 【議会のあらまし】

2).議会運営委員会(全員協議会)

@ 7月5日 17年度議会議員研修会

○演題:長野県行政機構改革について
   講師:長野県経営戦略局:小林資典氏

【講演概要】平成18年度の長野県の組織の再編についてのスケジュールと再編の目的、背景、再編の基本的視点等について説明を受けました。長野県の機構改革案が願わくば、長野県と隣接する8県に聞き入れられるならば、その効果は絶大であると感じました。

 小職が常に言う「法律家である田中康夫知事」の行政機構改革が、戦後日本で一番長く保守王国であり続けた長野県という機構のかなで培養された県職員にどの位浸透するかが一番の課題であると講義を拝聴して感じました。




○演題:地方議会の改革について
   講師:山梨学院大学教授 江藤俊明氏

【講演概要】地方議会の定員数、議員の役割と報酬等についての講演を受けたが、小職が自主研究を進めている「地方議会と市議会議員」の内容と殆んど重複する内容です。江藤教授の講演をお聞きして、須坂市議会で論陣を張り、議会改革を推進めている小職の時代感覚も大学の研究室に伍すると感じました。『地方議会の先駆議会』として、須坂市議会は必ず日本中の市町村をリードしようとする熱意があります。

小職は須坂市議会で十分な実践を積み、将来は地方議員でありながら、白山台にある母校の教壇に立って「地方議会論」を後輩に講義する夢があります。


4).総務文教委員会関係

 7月6日、川口町・小千谷市を「中越地被災地視察」

 総務文教委員会(議会)、総務部・総務課(市長部局)、消防署警備課、須坂市消防団塩崎団長(消防団)の一行は、中越地震の震源地である小千谷市と川口町を合同視察を行いました。


 本行政視察は、「行政・議会・地域が情報を共有する」の実践で、議会、市長部局、消防署、消防団の関係者が、合同で同一の目的を持って行政視察を行なうところに価値があります。


 第1弾は、小職が1期議員任期中「中心市街地活性化特別委員会」の副委員長を務めた折、当時の山崎和雄特別委員長に言上しましたところ快諾を得て、議会、市長部局、商工会議所副会頭とでTMO(タウンマネージメント)について、合同先進地行政視察を行いました。この結果が、今日の須坂商工会議所が展開するTMOの礎になっていることは事実です。


 「議会と行政と民間の主力団体が同一の情報を共有することによって、市民が食える町を創造する」は、前号で掲げました北川早稲田大学教授の言われる「地域経営」の須坂版にほかなりません。
被害地は現在も必死に復旧に向けて諸々の建設工事等が行なわれておりましたが、仮復旧で手一杯のところもあり、大規模な崩落箇所は手づかずの処もあり、本格的な復旧には凡そ向う10年はかかる説明でありました。地震による被害の大きさと一度地震にみまわれた場合の悲惨さを目の辺りにして、参加した全員は心を引き締めて「須坂市の防災」に役立てようと研修に臨みました。

5)須坂市議会定数等改革検討委員会
 6月27日午前10時開会。第三委員会室 第5回委員会の協議事項

@ 市民との行政懇談会の『日程』『進め方』と『提供資料』について。
A 当日、参加された皆さんに、議員の定数、報酬額、休日議会、議会傍聴等について回答して頂くこととする。
B 佐藤壽三郎議員から収集した資料の提供。
C 議会定数等改革に関する市民懇談会開催日の確定


 定数等改革委員会で、小職の「議会も積極的に市民に直接意見を聞く場を設けたらどうか」提唱が受入れられて行なうものであります。当初は小学校単位(11ヶ所)を希望しましたが、諸々の負担がかかり過ぎるとうことで、中学校単位(4ヶ所)で治まりました。議会からは、正副議長、須坂市議会定数等改革検討委員会委員が出席する。


  7月19日(火)市役所西館311会議室 (相森中学通学区)
  7月22日(金)公民館3階ホール   (常盤中学通学区)
  7月27日(水)仁礼コミニティセンター(東中学通学区)
  7月29日(金)メセナホール     (墨坂中学通学区)

      ※何れの会場も開始時刻は午後7時半からです。





2. 【私の議会外議員活動】

1)陳情の処理

 6月28日午前中。小職は福本卓穀町区長より「町内の側溝にかってのように水を流して欲しい等」の陳情を受けた。そこで、区役員、市生活環境課、農林課(水路)、建設課、上下水道課職員らと総合的・複合的に現地視察を行い、市としては可能な限り抜本的解決策を講ずる話合いをしました。


2) 田中康夫県知事を訪問

 7月7日午前11時。須坂市議会善財議長、政和会古谷代表、共産党永井代表、自由クラブ佐藤壽三郎代表は、県庁知事室に田中知事をお訪ねして懇談しました。席上、小職は「知事と市議会議員有志との、地方自治が抱える諸問題を討論する機会を、市民公開で9月議会終了後年末までに須坂市で開催したい」旨の要望を申し出たところ、知事より快くお引受けを賜わりました。

 早速『知事との講演と討論会』の実現に向けて企画をします。





3. 【自主研究:地方議会と市議会議員】 

第1 地方分権改革と地域経営についての講義録

日時:2005年6月25日(土)。場所:諏訪シティホテル成田屋
早稲田大学創立125周年記念エクステンション講演会
講師:早稲田大学大学院公共経営研究科・北川正恭教授。


 北川正恭教授は、三重県知事時代に三重県の行財政改革を断行したことは、誰でも知っていることなので省きます。私が今回の講演会に参加して幸運と感じたことは、6月18日(土)長野県議会議員研修会実行委員会が主催した、地方自治政策課題研修会に参加して、村尾信尚(むらおのぶたか)氏(関西学院大学教授)の講演を聴講してあったことが、本日、北川教授のお話を聴講して、お二方の相乗効果を発して、極めて立体的に理解が出来たことです(村尾教授については、北川知事時代の三重県の総務部長であられた人であり、6月21日の「長野県議会議員研修に参加して」に記してありますのでご参照ください)。


【 講演の要旨 】

 北川教授は、講演の中で何遍も「立ち居を替える」言葉を発せられました。公共経営(パブリック・マネージメント)は、管理から経営へ意識を変換し、首長も議員もマニフェストを主権者(有権者)に示して、目的達成度を計ることが必要だと強調された。


 地域経営とは、行政、企業、市民がサイクルとなって一つのことを成遂げる手立てが必要であることであり、例えるならば、一羽の蝶が舞い、共鳴した蝶が2となり、4となり8となる。これが倍、倍、倍とはばたけば、首長(議員)<職員<住民<企業が大きなうねりとなって地域の経営が成り立つこととなる。そして、これらをならしめるキーワードは『情報公開ではなく情報提供』であると締めくくられた。先生は「北京で一羽の蝶々がはばたくと、ニューヨークでハリケーンが生じる」話しを引き合いにだされたが、愈々、須坂が蝶々にならないかんと!


中央集権化=東京一極集中  2000年4月

・非公開・東京陳情合戦   地方分権一括法が施行
 ↓↑ ※自治体の破綻            ↓↑
 ↓↑          機関委任事務の廃止↓↑
○政策合戦(マニフェスト) 2003年三位一体の改革
 首長 ⇔ 議会       (まやかし改革?)
      (二元代表制)          ↓
                 ●議会の権限の拡大
                    ↓
        ●議会に議員条例提出権が求められる。

  ※マニフェストに目標達成の数値があるかが必要!!


         全体経営  ≠  地域経営

 ※首長としての公約を達成するために、職員との無制限の対話が必要。


         < 情報の共有 >
         首長 ⇔ 公務員 ⇔ 市民

※ 公共サービスを支えるのは多様な主体である。
 

  【今大切なことは、帽子の大きさに己の頭のサイズを変える
   時代であって、帽子を替える時代ではない:北川教授談】



【 講演を聴講しての感想 】早稲田大学の学生、或者OBでなければ聞けない貴重な講義を、一介の市議が聴けたことを感謝したい。帰りの車の中であれこれと考えたことだが・・

 早稲田大学は、北川教授の言われる「情報公開から一歩出て情報提供」を実践している大学であると気づいた。即ち、大学は700も全国にあり、少子化の影響はもろに年に4から5校の大学が倒産するであろう現実がある。どの大学も生き残りをかけて、言わば「大学の経営」の変革を図っていることも理解できる。


 大学の倒産と同様に、地方政府(県・市町村)も亦然り。首長や議員に「地域経営」の感覚が無い市町村は落伍するは必定と思える。全国の県・市町村は殆んど借金を負っていることは確かである。なるほど早稲田大学がいち早く大学院に公共経営研究科を設けたことも頷ける。須坂市も政策推進課を設けたが事務分担から覗くと「秘書課」の域に留まっていると言える。


 閑話休題:帰り際、北川教授に著書に署名をお願いしたら、快く署名を賜ったうえ、「一緒に勉強しましょう」と、温かく声をかけて頂いた。須坂市議会の議員たる私は愈々奮い立った次第です。

 
      第五考. 市議会議員の役割

 市議会議員も政治家の端くれである。「一寸の虫にも5分の魂」と言われるが、市政を通じて県政にも国政にも物申す心意気をもって市議会議員を務めています。「政治とは何か」は、自問自答のなかで常に脳裡からはなれないものであるが、「政治」とは学問的に記述するならば、@さまざまな理想、理念、政策を実現いくこと A権力闘争 B社会の中で人々の期待や利害を調整して共同行動を秩序づけて行くことでまとめられる。地方議員のあれこれを綴ってみたい。


 市議会議員は、前述のうち@についてはこれからの姿であって、@を地方議員が推し進めると、国家機構や国家秩序との兼ね合いから、統治が中央集権から分割統治あるいは江戸時代のような幕藩体制化し、日本が連邦国家となる。この点、明治新政府になるまでは、日本は朝廷と幕府の二元政治であり、幕府と諸藩との関係は主君と家臣の関係で、言うなれば藩主は支店長的色合いが強かったのかとも思えるが、地方自治が進めば進むほど、国の形態は連邦制を敷かざるをえないと感じます。然し、須坂市はあくまでも日本国という統一国家における「自治」であることから、国会の法律や中央政府の緩やかな「束縛」を受けることは当然の理であります。


Aについては、国政レベルの争いであり、議員内閣制を敷く国政と、二元代表制を引く地方政治とは覇権の形態が異なります。しかし、地方分権時代が円熟すれば首長の権限は従前とは比較にならないほど強大に為ります。これに呼応して議会の権限を拡大しておかなければ、首長と議会との牽制関係(チェック&バランス)は保たれなくなることが懸念されます。


Bこそが、市議会議員の働き場であると感じます。市<県<国の関係が、市民=県民=国民の関係は、本来は市民が主権者であることからすれば、分けることが無意味である。市<県<国が地方分権一括法により将に協力・対等であることからすると、市議会=市議会議員の役割は、最も行政に接している市民の多様な要望や政策に対する期待や利害を調整して、行政組織の単位である市民として協同行動を秩序づけて行くことであると感じます。市議会の役目は戦前の「名誉職」であった言わば「刺身のつま」から、首(市長)の公約(マニフェスト)が、市民益に適うか否か、或は今やるときか否かを断じ、時に共鳴し時に阻止することを市民負託の名の下に、使い分けが出来る権能を課せられたものが議員であり、これらを行使しうる機関が議会であると私は思います。


 
    第六考.地方公共団体から地方政府へ


 現行憲法は第8章で「地方自治」制度を国民に保障しているが、前述のとおり明治憲法下では地方自治制度は無かった。そもそも中央集権国家の仕組みを強固に推し進める明治新政府の機構頭の中には、「統治手段としての地方自治の権能や地方自治の容認」などは想定外のことであり、当然に地方自治制度は国家統制によって官治的色彩の強いものであった。第1章で「刺身のつま」と記述したのは、このことを意味するのであります。


 県や市町村は、国から独立した人格を認められたが、官選知事、内務大臣の厳格なコントロールの下に置かれていた。この制度の下で育んだ官僚や政治家が、俄かに国民主権と唱えて、戦後の動乱期に法律を起案しても、出来あがる法律は所詮「主権在民」が欠けているのは当然であろう。県会議員や市町村議員は地域の大地主や実業家といった謂わば地域の名士でなければなれない名誉職であり、官選知事や地方のボスがその椅子についていた市町村長の言いなり議会であったことは明白でこれあります。


 新憲法下での地方自治法は、将に地方行政の根幹に関わる法律であるが、これと並んで地方公務員法、地方財政法、地方税法、公職選挙法等をみても、憲法との整合性が保たれているとは言え、問題は法の精神をどんなに高らかに唱えても、明治憲法の影響が強く残った終戦直後に作られたこれらの法は、民主主義の模倣のための法律であった節もあり、戦後60年は地方自治こそ暗中模索の歴史であったと言えまいか。地方に行けば行くほど旧態依然の統治が行なわれていた部分は未だに残る。


 私は、「政府と地方政府の市民に対する役割や仕組みを見直すことが必要では」とする疑問は、行政書士になって見て大いに感じていた。さらに市議会議員になってこの思いは増長された。


 2000年4月の地方分権一括法が施行され、法的には国と地方の関係が対等・協力となったが、実際は国家からの呪縛から解放されたとは、とても言えない関係が今日も続いている。それは何か?中央政府が統治形態を変えても、がっちりと財布(財政)を握って離さないところに一番の原因があり、2003年になされた「三位一体改革」は中々進んでいない。本来は機構や組織と財政は一体の作用をせねばならないはずだが、これでは、早稲田大学大学院北川正恭教授が断じられるように「まやかし改革」と言われても政府は詮方ないだろう。


 北川教授の意味する、「地方自治は地方公共団体という政府のお先棒団体から、今や地方政府へ思考を変える時代」に突入する判断は私も同感である。国の役割と地方の役割の分担こそが必要な時代である。


 田中康夫長野県知事も、既成の柵(しがらみ)や体質を瓦解或は溶解させるに心血を注がれている。彼は幕府をぶち壊した勝海舟とも言えるし、ソ連を解体したゴルバチョフ大統領とも思える。長野県という既成の組織を一旦解体して、その後に新時代に対応できる「長野県」を構築しようとしているように思えてならない。或は小泉純一郎自民党総裁(内閣総理大臣)が「自民党ぶち壊し論」を掲げているが、考え方の根底は総理と知事は、「柵を破らん」とすることについては、一脈相通じるところがあるのではないか。


【 参考文献】憲法:橋本公宣・中央大学/憲法:清水睦・中央大学/日本経済の破断界:高橋乗宣著・ビジネス社/ローカル・マニフェストによる地方のガバナンス改革:涯FJ総合研究所編著・ぎょうせい/現代日本の政治:沖野安春著・芦書房/地方栄えて、日本は破産:村野まさよし著・講談社/地方政治が危ない:樺嶋秀吉著・サンドケー出版局/政は官をどう凌ぐか:金子仁洋著・講談社/構造改革戦略と自治体:自治体問題研究所・自治体研究社/自治体アウトソーシング:自治体研究社/公務の民営化と公務労働:西山敏外2名共著・大月書店/これからの世界と日本:長谷川慶太郎・PHP。




12. 【お寄せ頂いた会員の声】寄稿・郵政民営化について

今回の件については、ごたつく事が全く解かりません。
そもそも郵政関係者のリストラをしようとするのがねらいであって、何を反対する事があるのでしょうか?
過疎地が困る?言い訳だー。スキミングを認めない許可の方法もあるし、やり様で民間の方がもっとサービスが良くなることもある。

国が保険も貯金も扱ってミーンな他へ流しこむ無だ遣いは止めなければいけないんです。
簡易郵便局だって年間1500万支払ってしかも、世襲で公務員なんてことありますか?
郵便事業の方ですが、物流又は直筆及び捺印を必要とする信書便以外の郵便物は、取って変わるものが出てきていますので、それ程必要としなくなると思います。

【 行政書士 Kさん(長野)】




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発行日 平成17年7月18日  
編集:発行人 須坂市議会議員 佐 藤 壽三郎

須坂市墨坂南1丁目(境沢町)