傷ましや 津波非情に なめつくし  壽茶


佐藤壽三郎の議員活動報告詳報
ことぶき月報(No.150) 2011年3月号

終世書生気質:千曲のかなた をご覧下さい。


 【3月定例会のあらまし】
 平成23年2月23日に招集された3月定例会は、3月24日本会議を再開して、事件決議4件、条例5件、補正予算案9件、当初予算案9件を何れも原案とおり可決し、請願1件、人事2件、意見書3件を議決して閉会しました。

  【3月定例会の争点と顛末をお示しします】
1)  争点その1.市職員の市長部局と議会事務局の兼務について。
 市長部局と兼任する議会事務職職員の定数1名増員に関わる条例案に対し。⇒ 新自由クラブは修正案を提出しました。
≠本会議は原案賛成多数で可決。

 修正案提出の理由:地方自治体はご承知の通り二元代表制を布いている。市職員は須坂市として採用されているが、市長と議会の対峙という議会の独立性を堅持することによって、初めて地方議会の権能が果たせることを鑑みるときに、市長部局と議会の職員を兼任させることはあってはならない。このことは馴れ合い民主主義につながる。形骸化した議会はその使命を果たすことが出来ない。
 原案に賛成した議員諸君に諫言を呈したい。即ち、議員が等閑の心を持てば、やがては市民は「議会無用論」を唱えるであろう。議員にこの危機意識がないとすれば、これは議員としては議会人としての勉強不足であり恥じでしかない。良識ある知識人は冷ややかに議員の言動をチェックしていることを忘れてはなるまい。議会は誰のためにあるのかを、これを機に自問自答して欲しい。


2)  争点その2.交通安全教育センターの存続について。
 交通安全教育センター修繕事業に関わる当初予算350万円は、同センターの時代的背景を判断すると、その役目を果たしたからこの事業は廃止すべきである。とする修正動議が無所属クラブから提出されました。⇒新自由クラブは修正案に賛成しました。 
≠ 本会議は原案賛成多数で可決。

 修正案を支持した理由:これは議会が示したいわば事業仕分けの一つと捉えるべきである結論に達しました。事業発足当時から相当の時間経経るなかで、当然事業の必要性を検証する必要があります。事業そのものの必要性が薄らいだ事業は、縮小か廃止する英断も必要と考えます。財政逼迫の事情もあり、本修正動議は議会の本来の使命を果たしたと評価しております。


 【3月議会で行なった私の一般質問要旨を掲載します】
 第1問.経済における諸課題について。
1.  日本経済の現況は、新聞経済欄の見出しを探ると凡そがわかりますが、然しどの見出しが信用できるのかと思いたくなるほど、見出しが豹変しております。日銀の金融経済情勢の見通しは、「わが国経済は、昨年秋頃までは比較的はっきりと持ち直していましたが、秋から年末にかけて、そうした景気改善の動きに一服感がみられ、踊り場ともいえる状況となりました。年明け後に公表された経済指標をみると、景気は、踊り場から徐々に脱しつつあるようにうかがわれる。」である。

2.  5年後の「県内雇用」と「県内生産」の見通しについては、雇用・生産ともに「横ばい」であると企業主は読んでいるようであります。日本=長野県=須坂市として、全く同じ雇用・生産環境とは言えず、十把一絡で論ずることは出来ません。

3.  将来における須坂市内の生産体制をどのように捉えるか。現在、県内のシェアが6割を超える企業のうち、5年後にはその企業のうち2割の企業は県内の生産拠点を海外にシフトする意向のようであります。雇用の場が奪われ失業者の増加が懸念されます。

4.  地方主権時代を強かに生き抜く須坂市としては、この点をどのように分析しているのか。また須坂市の企業も今後は生産拠点の海外にシフトが進むと予想されるのか否かは、市民の雇用の場確保からしても無関心ではいられません。今議会で税収に絡む根源といえる経済を質しました。


 第2問.須坂市の財政見通しについて。
1.  県固定資産評価審議会は2月17日市町村が固定資産税を算定する際の基礎となる2010年度「提示平均価額」を県の諮問通り承認した。これによると、県内77市町村のうち横ばいは11市町村。上昇した市町村はゼロ。須坂市では平均価額17,624円で前年度比4.7%の下落していることが読み取れます。17年連続の下落傾向であります。

 然し、住宅版エコポイント制度が今回の新増築家屋による増収と更にこの制度が1年延長されることによりリフォーム工事の増加が予想されますが、実は県内の新築住宅着工数の動向を調べると08年から持ち家、借家さらには分譲住宅の着工戸数は低迷をしています。低迷理由は供給過剰にある住宅市場であること。低迷する県内の所得環境であること。人口減少であり高齢化が進んでいること等が挙げられますが、であるとすれば須坂市における新増築家屋による増収は住宅取得支援策或いはエコポイントの一過性の増収でしかないのではありませんか。

2.  須坂市の平成23年度の予算編成における財政見通しで、三木市長は固定資産税について、家屋については新増築家屋による増が見込まれることから前年度当初予算額対比1億1885万円、4,7%増の26億48,885万円を見込んでおられます。

3.  2月22日の信濃毎日新聞には、大変ショッキングな記事が載っていました。国土交通省の国土審議会長期展望委員会が、過疎化や少子高齢化の傾向が継続した場合には、50年後には居住地域の2割が無人化となり住民がいなくなる。とのことであります。北海道は現在の市街地の52%は無人になる。中国圏は24%、四国圏は26%。長野県が位置する中部圏は居住者がいる2万400区域のうち、15%の約3100区域が無人化するとの内容であります。

4.  須坂市の市街地も、最近は虫を食ったようにあちこち空地が目立ちます。須坂市も決して例外でなく少子高齢化が進んでおります。人口減少が進んだ果ての須坂市市街地の有様を思う時、今のうちに、須坂市は市街地に住宅を集約する施策を推し進めるべきであると感じます。

 須坂市の固定資産の再評価をすることが、安定した税源の確保につながると確信します。このことは、結果的に市民の保有する資産価値を上げることに寄与すると私は考えます。市民の皆さんが、「固定資産はそもそも売るべきもので無いから、評価は低く抑えていて良い。」とする道を選ぶのか。適正な評価価額としての資産価値・担保価値として不動産を持つことが大切であると気づくかの問題にほかなりません。安定した税収入を図る手立てについて三木市長に質しました。


 第3問.須坂市の将来における社会環境について。
1.  長野経済研究所が予測した資料によると、長野県の30年後の人口構成を俯瞰すると60歳〜74歳までの人口が一番多く、次いで45歳から59歳までの世代と75歳以上の世代の人口が殆ど同数であり、落ち込んで生産年齢人口である30歳から44歳の世代、更に15歳から29歳の世代年齢別区分の順位であることが読み取れます。因みに、生産年齢人口は15歳から64歳までの人口であるようですが、30年後は今以上に医療や介護の課題が重くのしかかる市政運営であることが予想されます。

2.  県内の30年後の世帯形態を俯瞰するに、単独世帯が凡そ33%、夫婦+子世帯が約21%、夫婦のみが約20%、ひとり親+子が約10%とのことであります。現在単独世帯と夫婦+子世帯は殆ど同数の26%であるのに30年の変化は単独世帯が第1位を占めることとなります。この世帯形態を了とするか否かはその人の人生観であることを尊重しますが、日本の存亡がかかる問題であり看過できない課題であります。この課題は須坂市にとってもそのまま重く圧し掛かる課題と申せます。須坂市の将来の年齢別家族構成や世帯形態の推移の予測は、健全なる納税者の予測に外なりませんが、このことを市長に質しました。


第4問.水道設備の維持と水源保全について。
1.  本年度の水道事業会計において、収益的支出は前年度当初予算額対比3.8%減の10億544万4千円とし、料金収入が年々減少していることを明らかに認知した予算建てであります。設問2の須坂市の財政見通しで陳べたように、過疎化や少子高齢化の傾向が継続した場合には、全く給水施設が使用されなくなる地域や、採算が合わない給水エリアが生ずることも考えられると思います。

 ある学者は「過疎化や少子高齢化が顕著に進んだ場合に、給水するために要する様々な施設や装置の維持費が捻出できなくなる。この事態を憂慮しなければならない時期にある」と警鐘をされていますが、水道局としてはこのことについてどのように計画されているのでしょうか。

 蛇口をひねる。ほとばしる水を何の躊躇もしないで「がぶ飲み」をして咽喉を潤す。この「水道の絶対信用」これこそが市民が寄せる水道局の財産にほかなりません。招待回避できない水道設備の維持管理の課題を、今のうちから遠望して取組む姿勢が大切と考えます。


2.  2月22日の信濃毎日新聞に「外国資本による水資源の獲得を目的とした森林買収などに対し、地下水や湧き水といった水資源を守る方策を練る必要性を佐久市がいち早く取組む記事が掲載されました。

 そもそも日本では、詳細な山林の所有や取引状況を把握する統計が等閑となっているため、適正価格による透明性の高いオープンな公開市場ではなくクローズド(閉鎖的)な商慣習の中で山林売買が横行し、外国資本を焚き付け囲い込む山林ブローカー(林地売買仲介者)が暗躍する結果を招いています。

 特に日本で遅れが目立つのは、土地の境界線や面積、所有者を明確にする「地籍(土地の戸籍)調査」で、ドイツやフランス、オランダ、韓国の実施率が100%に達している一方、日本の実施率が都市部で21%、山間部で42%に留まっています。」とのことであります。今世紀は世界中が水の争奪戦になると言われております。山紫水明を尊び誇りとする信濃国須坂の住民は、このような実像の見えない水資源の獲得行為を断固阻止する毅然たる姿勢が子孫のために必要であると感じ市政を質しました。


第5問.市民の平穏な権利を護るために
 長野県知事は今県議会に、「社会全体で暴力団の排除を推進していくため、県、県民及び事業者の責務や基本的施策など必要な事項を定めるもの」として、長野県暴力団排除条例を上程しました。当然、須坂市とも事前協議がなされたものと思われます。本条例の目的が県民の安全で平穏な生活の確保と社会経済活動の健全な発展を実現するためのものである以上、圧倒的支持を得て県議会で議決されると確信します。

 県条例が制定された暁には、須坂市も市を挙げて市民の安全で平穏な生活の確保と社会経済活動の健全な発展を実現せねばなりません。須坂市はこの県条例に呼応した市条例制定を目指すのか関心があります。この点を質しました。


 2.【佐藤壽三郎の議会外議員活動】
   (1) 講演会に参加
 平成23年3月13日、最終処分場を考える会主催の講演会が、仁礼町・仁礼会館で催され、長野広域連合議会議員の堀江議員(高山村議会選出議員)と共に出席しました。

 弁護士であり理学博士である梶山正三先生が、弁護士活動として訴訟を通して長年蓄積された知識の蓄財と法的考証に基づく講演は説得力がありました。本講演会で指摘された工学的・構造的疑問点は、訴訟で勝ち取った事例に基づくものである以上、長野広域連合議会も学ぶところ大であると感じました。

  
 4.【小・中学校・教育委員会関係】
1)  平成23年3月17日市内4校の中学校卒業式が挙行され、墨坂中学校卒業式に参列。小林校長は145名の卒業生に「これからの人生で、本物に近づくことを目指せ。優れた者に学ぶも謙虚な姿勢と、一人では生きていけないことを自覚し、支えて下さる人々への感謝を忘れない人となれ。」と諭された。




2)  平成23年3月19日市内11校の小学校卒業式が挙行され、森上小学校卒業式に参列。古川校長は59名の卒業生に「どうすればできるかと、発想の転換をする努力を忘れずに頑張ってください」とエールを贈られた。

           
北信鏡】2/21挨拶廻り /22市民相談 /23市議会開会 全員協議会、予算決算特別委員会、常任委員会 /24現地調査、分科会 /24会派調整会議、予算決算特別委員会、全員協議会、本会議、市民相談 /26小布施出向、行政相談、松代出向 /27市民相談 /28稲葉教授と面談 3/1代表質問、福祉環境委員会、行政相談 /2一般質問で登壇、大室出向 /3一般質問、四派合同会議 /4 議会運営委員会、全員協議会、一般質問、予算決算特別委員会、本会議 /5行政相談 /7公証人役場 /8〜9予算決算分科会、福祉環境委員会 /10予算決算分科会、経済建設委員会、行政相談、/11経済建設委員会 /12講演会 /14予算決算分科会、総務文教委員会 /15専決処分の方針説明会、総務文教委員会、市民相談 /16市民相談 /17墨坂中学校卒業式、会派意見調整会議 /18会派調整会議、予算決算特別委員会、市民相談 /19森上小学校卒業式、市民相談 /22 公証人役場、会派間意見調整会議 /23議会運営委員会、全員協議会、本会議、予算決算特別委員会、本会議、議会閉会 /24公証人役場、道路河川課 /25地方事務所、会派調整会議 /26市民相談 /27長野平安堂 /28地方事務所 /29市民相談、全員協議会、議会事務局長送別会 /30会報配布、行政相談 /31道路河川課


発行日 平成23年3月31日
今月号は佐藤壽三郎メールマガジンVol.401〜Vol.402をまとめたものです。

   編集:発行人 須坂市議会議員(新自由クラブ)佐 藤 寿三郎
 須坂市墨坂南1丁目(境沢町)