墨書に覚えあり



 久々に漢文の基礎をおさらいしてみました・・・

 この歳になっても漢文は厭きない魅力があります。漢文に親しみ、漢詩の世界に分け入るに、暫し幽境の世界に酔いしれることができます・・・

 時に自戒をなし、時に内容に感服し、時にこころ癒されるは誰しも経験をされることでありましょう・・・

 漢文を体系だって学ぶのも一興!気に入った漢詩を拾い読みするのも是亦一興!夫々が思いの侭に漢文を諳んじ、漢詩を吟詠するも夫々の発露であることから是も亦一興と存じます。

 所で、漢詩を万年筆では些か興ざめます。高校の漢文の授業であるならばいざ知らず、成人ならば漢文や漢詩には墨書をお勧めしたい。漢字はなるほど意を伝える手立てであることは分かるが、書の基礎を心得ぬ者が、徒にでたらめな墨書を賞賛する風潮は、如何様なものかと存じます。

 墨書は古来より決まりごとの技法あり、崩し字も約束事があるは亦然り。約束事に反した書体は嘘字として論外と思います。

 この技法を習得するに些かの歳月を要するところが大切。漢文況や漢字の基礎を積むことが必要ではないか。

 漢文を修めずして漢文或いは漢詩を墨書で書きしたためたとしても、この墨書に魂宿る事なし、書かれた字が躍動しないと思います・・・



2008/05/06 (火)