議員のふるい!趣旨採択とは


                        市議会議員 佐 藤 壽三郎


 平成19年度6月定例会は本日閉会となりました。

 ところで・・・
 ペット火葬場建設計画に関して、「須坂市の玄関口としてふさわしいインター周辺となるような土地利用計画を見直すこと」の請願 ⇒ 採択反対(議会は趣旨採択となった)

 ペット火葬場建設計画に関して、「地域の環境等を考慮し住民の意思を生かした行政指導を行うこと」の請願 ⇒ 趣旨採択 (議会は趣旨採択となった。)

 このことについて、当市議会は今6月議会より「趣旨採択」を採用し、採択、趣旨採択、不採択の三段階とすることを、平成19年6月26日の議会運営委員会で取決めました。

 議会運営委員会の席上、私は「趣旨採択は極めて曖昧なものであり、『一部採択』や『看做し採択』をも包含するととすれば、仮に10段階として、1が採択、10が不採択とすれば、2〜9までが趣旨採択の範疇となり、極めて幅の広い曖昧で不透明な、小賢しい政治家の八方美人表決になってしまう」と採決方法の変更に異議を唱えた。

 事務局の「全国市議会議長会の見解を他市も採用している」説明に採用に踏み切ることと相成った次第。

       問題なのは三通りの中の選択である。

 そもそも「趣旨採択」とは、請願内容に対してあからさまに反対はできないが実質的には反対であるときの議会の結論。「気持ちはわかるが・・・」といったニュアンスが込められる。争いを好まず相手を立てる聖徳太子以来の日本的美風がこの言葉に反映されている」(行政用語の基礎知識より援用)。

 行政用語の『定義』を解さなければ、議員活動はできないが、新人議員が果たしてこの定義を理解して、今回の請願の採決に臨んでいたかである。

 「趣旨採択」の本来持つ意味を議員が不勉強で知らず、曖昧模糊と言える「双方とも趣旨採択」の採択が、「請願内容に対してあからさまに反対はできないが実質的には反対である」としての採決であったことを住民が知ったときは、却って市民から不信をかうであろう。議会での俄か拍手は何を意味するのか?愚行と言える!

 後日のために記すならば、
 その点、改新クラブ、須坂フォーラムは冷静な対応であったことが、後々市民から評価されると信じる。何故ならば、趣旨採択を選ぶ以上、どちらかが不採択であらねばならない法理を十分理解していたと言える。双方を趣旨採択とすることは今回の請願の趣旨からしてありえないのではないか。



平成19年6月26日記す。