賢者と愚者




 賢者は自ら昂なるを希がい
 愚者は自ら墓穴を掘るものか

 賢者と愚者はいつの世も絶えることなく
 陽と月の如く対峙せる評価がなされる

 賢者が常に歴史の主役であって
 愚者は犠牲者であったと断言できるか

 賢者が常に聡明であって
 愚者が判断を誤らすのであろうか

 賢者と愚者は入り乱れる
 波間に浮かぶ泡沫(うたかた)に相似たり

 賢者と愚者はあざなえる縄の如く
 賢者であって愚者である

 時の流れのみが賢者と愚者を判定するが
 その評価は難しい



2008/04/08 (火)